ついにやってきた次世代環境のレンタルサーバ!
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クラウドやVPSといった仮想専用サーバの類ではroot(管理者)権限が渡されて、OSやミドルウェアを任意でインストールできるので、SNIで無償のSSL証明書を利用して、HTTP/2にして、PHP7にして、MariaDBにして等、お好みの環境を自由自在に構築することができます。
しかしながら、クラウドやVPSは自由度が高い分、無償標準サポートは物理サーバに関することだけのミニマムな範囲に限られており、快適なスペックの確保にもそれ相応のランニングコストが掛かかります。理想的環境を作ってその環境下でサイトを運用することはできるけれども、日に日に増えるクライアントのサイトを管理するには環境構築工数、運用工数、高価なサーバ代のランニングコストといった費用面を理解してもらうことはなかなか難しく、現実的ではありません。
ゆえに、あらかじめガチガチに定めたルールによって想定内の使い方に留まるようになっていることで自由度はないが、その分価格が抑えられていることと、制作サイドにとってはサーバに関する責任部分を第三者に委譲でき、クライアント自身にとってもサーバに関するサポートが第三者からも受けられることからレンタルサーバは今も欠かせないサービスです。
そしてレンタルサーバといえば、OSやミドルウェアの環境は枯れに枯れた(バグなどを潰しきったこなれた)状態の旧バージョンで提供していることが典型でしたが、アメリカでは個人向けレンタルサーバーサービスにおいても、すでに
- SNIでLet's Encryptなどを利用していて独自SSL証明書を無償で無制限に発行できる。
- ストレージにはSSDを採用していてバックアップもとってくれる。
- HTTP/2接続もできる。
- PHP7、MySQL5.7 / MariaDB10.1など最新バージョンのミドルウェア環境を利用できる。
- 大量のアクセスも捌けるキャッシュやモジュール版PHPなどの機能を提供している。
このような次世代環境を備えたサービスが浸透しつつあり、ついに日本国内にも格安で次世代環境を提供してくれるレンタルサーバサービスがお目見えするようになってきました。
MixHost
- 2016年9月7日 アズポケット株式会社 プレスリリースより
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アズポケット株式会社は、月額480円からご利用いただけるクラウド型レンタルサーバー「MixHost」にて、日本で初めて次世代高速HTTPプロトコル「HTTP/2」に対応し、高速で高セキュリティなレンタルサーバーを提供いたします。
- 日本初のApache完全互換の高速Webサーバー「LiteSpeed」を採用
- WordPressに最適化されたキャッシュをご提供
- 契約毎にリソースを独立制御で他の利用者の影響を受けにくい
- 運用状況によりリソースの増減を瞬時に自由自在に行える
- 無制限のマルチドメイン、メールアドレス、データベース、FTPアカウント
- WAF、ウイルススキャン、スパムメールフィルタなど豊富なセキュリティ対策機能を標準装備
- 数百種類のアプリケーションを簡単インストール
- 30日間無料お試し
MixHostは「クラウドとレンタルサーバのいいとこ取り」をコンセプトとしたサービスのようで、契約毎にリソースは独立制御している=つまりは仮想化されているようでディスク容量・CPUコア占有量・メモリ数は月額480円のエコノミーから月額5,980円のビジネスプラスまでの5段階のプランに応じて割り当てられるようになっています。そのスペック面もさくらVPSやConoHaといった国内有名どころのVPSサービスと比較しても見劣りするところが全くありません。
月額480円のエコノミーであれば仮想1コア・メモリ512MB・SSD10GB、HTTP/2でかつWebサーバはLiteSpeed(Apache互換でNginxよりもさらに高速で、PHPの実行も20倍速いとか)と申し分がありません。これだけのものが日本国内の格安レンタルサーバとして簡単に契約できるようになったというのは、高速・高セキュアなサイト運用環境を求める皆さんにはほんとうに有難いことでしょう。
アズポケット株式会社さんは、2016年4月に設立されたとのことで、設立されてからまだ日が浅いですが、革新的なレンタルサーバサービスを次々と打ち出されているので今後も大注目です。ぜひ応援してまいりましょう!
あのロリポップでも
日本国内でもっとも有名な格安レンタルサーバ会社と言えば、ロリポップですが、「次世代ホスティングサービスを目指して。」という特設ページを設けて、今後SNIの提供とHTTP/2へ対応することが謳われています。
ロリポップの場合は、最小プランとなると月額100円のエコノミープランがありますが、モジュール版PHPはスタンダードプラン(月額500円〜)・エンタープライズプラン(月額2,000円〜)からしか提供されていないことから、SNIの提供とHTTP/2への対応についてもスタンダードおよびエンタープライズプランのみの適用になると考えられます。
国内最大手の格安レンタルサーバであるロリポップが取り組んできている以上、2016年末までには、旧態依然の提供環境だった他の日本国内の格安レンタルサーバ会社各社からも次世代環境のサービスが続々と出揃ってくることが期待できます。各社どのような違いを出してくるのか楽しみですね。
これまではクラウドやVPSを選ばざるを得なかった要件においても、次世代環境のレンタルサーバの提供によって、格安のレンタルサーバの提供環境で十分に賄えるなど、案件に応じて選べるサーバの範囲はグッと広がることになりそうです!