新規ドメインでサイトを開設する場合にティーザーサイト手法を取り入れよう

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新規ドメインのサイトでもバズるような趣向を凝らしたコンテンツをもつサイトであればQDFアルゴリズムによって、突発的に上位表示されるようなことはあるでしょうが、バズるようなコンテンツともなると面白コンテンツであることがほとんどで、真面目なコンテンツを扱うサイトでは無理難題と言えるでしょう。そのため新規ドメインでサイトを開設した場合は、3ヶ月から半年間ぐらいの一定期間をエイジングフィルタなるものの影響により適正に評価してもらえず、上位表示されることが望めないと言われています。

このように多くの労力をかけて新規でサイトを開設しても新規ドメインのサイトでは、3ヶ月から半年間ぐらいは上位表示してもらえないことがWebマーケティング上、足枷になることは非常に多いと思います。そこで、新規ドメインでサイトを開設される際にはティーザーサイト手法を取り入れられることをおすすめします。以下、何故ティーザーサイトがおすすめなのかについて解説していきます。

一定期間適正に評価されないエイジングフィルタとは

エイジングフィルタはSEO界隈の方々が勝手につけた名称で、サンドボックスと言われることもあるようです。フィルタという名が付けられたように検索エンジンが故意に順位を下げる「ペナルティ」とは違い罰ではないけれども、なんらかの理由によって新規ドメインで開設されたサイトが上位に表示されにくい状態を指すのだそうです。

しかしながら、そもそもエイジングフィルタなるものが存在するのかどうかについては、Googleのマット・カッツ氏が既に存在しないと幾度も明言しています。

「エイジングフィルタ」が存在すると思われるような現象が見られることは確かだ。しかし、アルゴリズムの1つとしてグーグルが意図的にそういう仕組みを作っているわけではない。

Googleのマット・カッツ氏がこう仰っている以上はエイジングフィルタなるものはSEO界隈の方々が作った幻想であり、存在しないということです。では、何故「エイジングフィルタ」が存在すると思われるような現象が見られるのかということですが、以下の記事からの説明を引用させてもらうと妙に納得できるのではないでしょうか。

エイジングフィルターってあるのか

エイジングフィルターはできたばかりのサイトは順位を通常よりかなり低くされるというアルコリズムと言われている。

しかし、フィルターされているように見えるだけなのだ。

あなたは初対面の人を信用しますか?
その初対面の人から「一緒にビジネスをやりませんか?」
と言われた時にすぐ信用してやってみようと思うか?

思わないはずだ。

何度も一緒に飲みに行ったり、あるいはその人の知人たちから評判を聞いたりして信用するものだろう。できたばかりのサイトはただ単に信用に足るかどうか判断ができない。

サイトが立ち上がってしばらく状況を観察して、信用に足るサイトなのかを判断する期間が必要なのだ。

最初からそのジャンルで有名なサイトなどからリンクされたりすると、一気にあがる。 人間で言えば、初対面だけど自分の親友から紹介されたとか、その分野の著名人が推薦していたというような例と一緒である。

フィルターという考え方ではなく、ただ単にまだ評価が低いだけということである。

上記の引用説明の通り、エイジングフィルタというよりはWebページと検索エンジンがお互いに信頼関係を築いていくために何度も何度も出会うという行為、つまりクロールを重ねることで、そのクロール回数がGoogle側が定めている回数(=規定のクロール回数)以上に達すればそのWebページ、そしてその上に成り立つドメインが信頼してもらえるようになると考えられるのではないでしょうか。

ゆえにエイジングフィルタなるものの幻想に3ヶ月から半年間ぐらいという期間のバラつきが存在するのも、オーガニックリンクを多く集めることができているサイトほどクロールされる機会が多くなり、規定回数をより短い期間で達成して信頼が得られるようになったと言えるでしょう。

つまり、Googleから信頼してもらうための規定回数のクロールを満たせていない状態のサイトにおいては「エイジングフィルタ」が存在すると思われるような現象が見られると解釈した方が良いでしょう。そして、その規定回数のクロールを超えるためには一定の期間が必要になるというのが確かなことではないでしょうか。

ティーザーサイトとは

ティーザーサイトとは IT用語辞典 e-Wordsより

発売前の新製品に関する断片的な情報のみを公開し、閲覧者の興味を引くことを意図したプロモーション用Webサイト。ティーザー広告とも呼ばれる。

情報を小出しにし詳細を隠して、閲覧者を焦らす(tease)ことで新製品への好奇心や興味を喚起することを目的としている。主に新作ゲームソフトや、mp3プレイヤーやデジタルカメラなどのデジタル製品、およびパソコン関連製品などに関してティーザーサイトが開設されることが多い。

ティーザーサイト云々の説明は上記の通りなのですが、大事なことは「情報を小出しにしていく」というティーザーサイトの手法です。

ティーザーサイト手法がおすすめな理由

先にも述べた通り、新規ドメインについては、規定のクロール回数を超えるために一定の期間が必要になります。そのためまずは一日でも早くクロールされる必要があります。

ひとつのサイトを完成させてローンチするまでに掛かる時間は規模等に応じて、ピンキリで数日でできるものもあれば、数ヶ月、半年以上掛かることもあるでしょう。しかし、新規ドメインでサイトを開設することが決まっている場合、この構築期間が長くなればなるほど非常にもったいない時間を過ごしていることになります。サイトを完成させるには素材を揃えたり、原稿を揃えたり様々な工程がありますが、クライアントから◯◯を提供してもらわないことにはどうやっても制作側では完成に辿りつけずに無駄な期間を過ごしてしまっている状況が多々あるのではないでしょうか。

そこでティーザーサイト手法を取り入れることで、Aの時点で出揃っている素材や原稿で作れるサイトを作って公開する、次にBの時点で出揃っている素材や原稿で作れるサイトを作って公開する、Cの時点で出揃っている素材や原稿で作れるサイトを作って公開していくといったティーザーサイトのように小出しに公開していくことを考えてみましょう。

これにより本来半年後に公開してはじめてインデックスされることになっていたサイトの初回のインデックスを早めることができ、本来公開する時期にはすっかりGoogleから信頼を得られている状態になっているかもしれません。また頻繁にサイトが更新されていくことは、クロールを促すのにも好材料となりますので、より早く信頼が得られるようになる=規定回数に近づくための最善の役割を果たしてくれます。

なお、Googleからの信頼を得ることに関して規定のクロール回数を超えることしかここまで説明していないため、誤解を招かないように説明を加えておきたいのですが、いまやGoogleはコンテンツの内容までかなりの精度で判別できるようになっています。そのため、ただただ一日でも早くクロールされるためだけにコンテンツの内容が薄いサイトの状態で公開したのでは、やがて月日が経つことである規定のクロール回数は超えられるかもしれませんが、コンテンツに対する評価面で信頼を落とし、上位表示されるようなことは期待できないことでしょう(表示順位決定要素としてコンテンツの評価が大半を占めるため)。そういった意味でもその時点でできる限りのコンテンツをしっかりと作り込むティーザーサイト手法はコンテンツ面においても高い評価を得るための役割を担う必要性を自然と生み出してくれます。

ただし、ティーザーサイト手法を取り入れるにはクライアントへ事前に予算面でしっかりとコミットしておく必要があります。なぜなら、ティーザーサイト手法でサイトを公開しようとすると制作側としてはかなりの労力が必要になります。Aの時点、Bの時点で公開できるサイトをそれぞれどのようにするのか、その手間は多大です。そのためクライアントの決済者に対して、その手間分の予算をしっかり確保してもらえるようにコミットしておくことがとても大事なのです。

ティーザーサイト手法を取り入れると、制作に係る総コストは増大するかもしれませんが、上手くやればサイトを小出しにして行く中で狙ったキーワードで上位に表示されるようになり、Googleから信頼を得ていない期間は広告に頼るはずだった分を省けることもあります。つまり、場合によってはより安くつけられる手法ということです。これならクライアントにも十分な説得材料に成り得るでしょう。

また、Aの時点でどのようなサイトにするか、Bの時点でどのようなサイトにするか、このあたりも制作会社として提案力が問はれる腕の見せ所と言えるでしょう。そして完全にサイトを完成させてからローンチする制作手法よりも、ティーザーサイト手法は制作側・クライアント側双方の結束力がより一層必要とされます。そのため簡単にできることではないですが、やるだけの価値があることは間違いありません。