embed要素
Updated / Published
embed
要素はウェブページ内に音声や動画などのデータを埋め込みます。embed
要素で埋め込むデータは、プラグインが必要になるリソース(Flashや動画、音声など)であり、UA にプラグインを追加することで、埋め込まれたデータを再生することができます。
Netscape Navigator 2.0(Netscape の前身)の時に独自に採用された機能です。Netscape Navigator 2.0 のリリース後すぐに Internet Explorer 3.0 でも採用され、現在では Netscape Navigator と Internet Explorer だけでなく、すべての主要ブラウザが対応しています。
Flash(".swf
", ".flv
"), MIDI(".mid
"), Quick Time(".mov
"), Shockwave(".wav
"), AVIムービー(".avi
"), MPEG(".mpg
")のデータを再生するためのプラグインはすべて無料で提供されており、簡単に入手できることから embed
要素は非公認であってもよく利用されています。
また、何らかのトラブルで指定されたデータが再生できない場合や音声出力・点字出力などの非視覚環境、UA がそのデータの再生に対応していない、あるいは表示しない設定にしている環境において、そのデータの表現する情報の代替となる内容をnoembed
要素で指定します。
あくまでも embed
要素は独自機能であるため、HTML3.2 の規格から取り入れられている object
要素を使用することが推奨されています。しかし、object
要素は UA のサポートが不完全という問題点があり、現実的にはサポート状況が良好で、なおかつ後方互換性のある embed
要素が使用されています。
また、これまで非公認な独自機能であったために今後の対応がどのようになるかがわからなかったことが懸念事項でしたが、HTML5においては多くのUAがサポートしていることと多くのウェブページで実際使用されている実績からembed
要素は公式仕様に採用されました。一方でnoembed
要素はHTML5でも採用されることはありませんでした。
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能(HTML5から採用)
- 要素型
- 独自機能のため仕様は不明ですが、body要素内に指定し、内容をもたない空要素であることから要素を分類するとインライン要素扱いとなるでしょう
- 開始タグ
- 必須
- 終了タグ
- なし
- 非推奨
- -
- 内容モデル
- -
align属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- left
- right
- top
- middle
- bottom
埋め込んだプラグインデータと、その後に続くテキストの揃え方を指定します。値には次の5つのキーワードがあります。キーワードは半角アルファベットの大文字・小文字が区別されません(case-insensitive)。
- left
- データは左に配置、その右にテキスト(複数行)が回り込む
- right
- データは右に配置、その左にテキスト(複数行)が回り込む
- top
- データの上辺に合わせてテキスト(1行)を上揃えに表示
- middle
- データの垂直方向の長さの中央にテキスト(1行)を表示
- bottom
- データの下辺に合わせてテキスト(1行)を下揃えに表示
align
属性は CSS の float
プロパティで左右の配置とその後に続くテキスト(複数行)の揃え方を、vertical-align
プロパティでテキスト(1行)との垂直方向の並びをそれぞれ代替することが可能です。
また、回り込んだテキストを途中で解除したい場合は br
要素に clear
属性を指定すれば良いのですが、clear
属性も非推奨属性のため、プラグインデータの後に続く要素に clear
プロパティまたは親要素にclearfixを指定すると良いでしょう。
autostart属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- true
- false
プラグインデータの自動再生の有無を指定します。値には次の2つのキーワードがあります。キーワードは半角アルファベットの大文字・小文字が区別されません(case-insensitive)。
- true
- ページ読み込み後、自動的に再生する
- false
- ユーザ(閲覧者)の操作で再生する
多くのUAで自動再生機能は無効化されつつあります。ユーザの操作を待たずに勝手にデータを再生した場合、ユーザを驚かせることになるかもしれません。音の鳴るデータは "false
" に設定しておくことをおすすめします。
height属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- 整数(pixels)
埋め込んだプラグインデータの高さを整数(ピクセル数で解釈)で指定します。
loop属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- 整数("1"以上)
- true
- false
プラグインデータの繰り返し再生を指定します。値には整数で再生回数を指定する場合と、次の2つのキーワードがあります。キーワードは半角アルファベットの大文字・小文字が区別されません(case-insensitive)。
- true
- 無限に繰り返し再生する
- false
- 1回だけ再生する
なお、loop
属性の指定がない場合の UA の初期値は、"false
" に設定されており1回だけ再生するようです。
name属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- 文字列
埋め込んだプラグインデータに名前をつけて、スクリプト(JavaScript など)から操作できるようにします。
pluginspage属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- URI
pluginspage
属性は音声・動画データを利用するために必要なプラグインをまだインストールしていない環境の UA に対して、プラグインの入手先を提示するのに使用します。値にはそのデータの再生に必要なプラグインの入手先の URI を記述します。noembed
要素を使うことでも同様の情報を提供できます。
src属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- 必須属性?
- 非推奨
- -
- 属性値
- URI
表示させるプラグインデータを指定する属性で、値にはデータの所在を URI で示します。独自機能のため仕様は不明ですが、データの所在を示す src
属性の役割は必須属性に該当するでしょう。
width属性
- バージョン
- Netscape Navigator の独自機能
- 指定要素
- embed
- 必須
- -
- 非推奨
- -
- 属性値
- 整数(pixels)
埋め込んだプラグインデータの横幅を整数(ピクセル数で解釈)で指定します。
その他の属性
embed
要素は仕様には定義されていないため、共通属性が使えるかどうかは UA に依ります。id
属性を使えばスクリプト(JavaScript など)からの操作が可能です。